忍者ブログ
2017 .07.25
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

かつては、それぞれの年代を代表する「シンセサイザー・ヒーロー」とでも呼ぶべき存在がいたと思う。

70年代、シンセの黎明期はやはり「世界のトミタ」冨田勲氏だろう。日本にはシンセに関する情報もほとんど無い時代に、それまで世界の誰も到達した事の無い水準のシンセサウンド世界を構築した事は、教科書(日本史か、せめて音楽)に載せない方がおかしい位の偉業だ。

先日無くなったマイケル・ジャクソンも、来日時に冨田氏のスタジオを訪れ、作品で使われていた音の作り方について質問していったとか。日本国内での認知以上に、世界的な存在の音楽家だ。

80年代前半はなんと言ってもYMOの時代。シンセサイザー・ヒーローは「教授」こと坂本龍一氏だろう。YMOのシンセサウンドの本当の功労者は松武秀樹氏だという事は詳しい人なら大抵知っているが、音楽と先進のテクノロジーの寵児であるポップスター、というイメージはこの人がパイオニア的な存在だろう。

さて、ここら辺から私のリアルタイム↓

80年代後半~90年代初期になると、当時TMネットワークを率いていた小室哲哉氏がその位置に上ってくる。後にあ~んなに色々な事が起こるとは全く予想できなかったが(^^;)マニアックな音楽に触れる機会の少ない当時の田舎では「自分の好きな種類の音」の片鱗が数多く散りばめられた小室サウンドは非常に貴重なものだった。「シンクラビア」「memorymoog」「ハモンドB-3」等の楽器は、TMのステージを通してその存在を知った事を告白しておく。

さて、90年代中期。この変から細分化が進み、時代を代表する存在の定義が難しくなって行くが、一番シンセサイザー・ヒーローと呼ぶに相応しいのは電気グルーヴの石野卓球と砂原良徳だろう。早いものでまりん(砂原)が電グルを脱退して10年以上が経つが、氏が在籍していた当時のアルバムにおける2人のサウンドクリエーターの絶妙なバランスは、今聴いても目を見張るものがある。両氏のソロや、石野・瀧2名体制時のアルバムも水準的には十分高いが、そこにも無い独特のテンションがあの当時の作品にはあった。

一つ追記するなら、電グル中期のアルバム(VITAMIN、DRAGON辺り)は、バブリーな時代に作られた豪華な商業スタジオ(SONY PCM3348やSSLの卓が主流の時代)で、チープ系のシンセを中心に作られた貴重なサウンドだ。もうあの色合いは二度と再現できないと思うので、時代を映す鏡としても是非チェックしておきたい。

さて、それ以降の時代…。残念ながら、前述の諸氏に並ぶようなシンセサイザー・ヒーローはここ10年位不在な気がする。ヒーローの不在は青少年に「あこがれの喪失」をもたらし、さらに次世代のヒーローの出現も脅かすという負の連鎖を生んでしまう。ゆゆしき、そして悲しき事態。

年代からすると、丁度自分と同じ位の年代の中から本来であればそういう存在が生まれていなければならない。これは、(もちろん自分も含め)同世代の不甲斐なさを憂うばかりでなく、今後の電子楽器界隈の勃興を左右する上でも非常に大きな問題だ。

使命感などと言うと僭越すぎるが、少なくとも下の世代から見て「なんか楽しそうな事をやってる大人」ではあらねばとつくづく思う今日この頃である。


PR
Comment
Trackback
Trackback URL

Comment form
Title
Color & Icon Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字  
Comment
Name
Mail
URL
Password
筆者プロフィール
音楽・映像制作、原稿執筆、レクチャー等のお問い合わせ&ご依頼は、こちらのフォームからお寄せください。


大須賀 淳(おおすが じゅん)
1975年生 福島県出身

音楽・映像制作「株式会社スタジオねこやなぎ」代表取締役。音楽・映像コンテンツ作成、雑誌「DTMマガジン」他での記事執筆、After Effects等映像系ソフトの講師も行っています。

よろしければTwitterもフォローしてください。
サイト内検索
最新コメント
[11/25 Levitra compared to cialis]
[11/25 Can provigil get you high]
[11/25 Tadalafil drug]
[11/25 Standard levitra prescription]
[11/25 Buy klonopin fedex]
携帯用サイト
Powerd by Ninja Tools
ブログの記事を共有
今すぐ使える!USTREAM配信スタイル2010
今すぐ使える!USTREAM配信スタイル2010

 スタジオねこやなぎが蓄積した120以上のUSTREAM配信アイデアから、様々な業種向けに厳選した10本を収録の電子書籍。掲載されたノウハウは、ご自身、そして皆様のお客様にむけてどんどん使用して下さい!
プロが教える!USTREAM配信〜成功7つの秘孔!〜
次回開催:2010年11月5日
日本でのサービス開始前からUSTREAM配信に取り組んできたスタジオねこやなぎが、ノウハウの蓄積から見出した「USTREAM配信成功の“秘孔”(ツボ)」をセミナーで大公開!

特別な技術は必要無し。高価な機材も必要なし。7つの秘孔をピンポイントで突けば「配信したい」と思った時点でほぼ成功間違いなしという驚きの内容がそこに!

1回限定10名のみの少人数セミナーなので、ケースバイケースの内容にもスバリ回答!お申込みはお早めにどうぞ。
詳細情報はこちら

最新ニュース
株式会社スタジオねこやなぎ

音楽・映像制作、クリエイティブ分野の原稿執筆、Ustream配信、クリエイティブ系ソフトトレーニング等、是非一度お問い合わせ下さい。
かがみうさぎ「mochirythm」


ノビ〜トルズ「ノビ〜ロード」


フリーウェア・コンシェルジュ連載中
突発性難聴記

大須賀淳・著 無料
電子書籍
※パソコン、iPad他対応

「右耳で低音が聴こえない!」 音を生業とする著者にある日突如ふりかかった「突発性難聴」という厄災。廃業の恐怖に怯えながらのプチ闘病記を初公開。
NEWS

    Page Top
    CALENDaR 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31