2024 .11.21
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2009 .04.28
近頃、「ブラックジャックによろしく」「海猿」等の作者である、漫画家の佐藤秀峰氏のサイトが非常に興味深い。
佐藤氏は、作家生活の中で様々な軋轢を経験した結果、Webを通じて直接読者に作品を配信する手段を模索し始めている。
「プロフィール」のページに書き下ろされた漫画、及び制作日記で語られる漫画家の置かれた現状は(もちろん作家側からの視点のみではあるが)、売れてる規模は全く違うものの同じくモノ作りに関わる人間としては身につまされるものも多い。
「Webの存在がクリエイターとコンシューマーを直接つなぐ存在になる」という言説は、その黎明期から繰り返し用いられてきた。それは一面では事実であるが、またもう一面ではまだまだ絵に描いたモチ、というのが原状だ。
佐藤氏は、作家生活の中で様々な軋轢を経験した結果、Webを通じて直接読者に作品を配信する手段を模索し始めている。
「プロフィール」のページに書き下ろされた漫画、及び制作日記で語られる漫画家の置かれた現状は(もちろん作家側からの視点のみではあるが)、売れてる規模は全く違うものの同じくモノ作りに関わる人間としては身につまされるものも多い。
「Webの存在がクリエイターとコンシューマーを直接つなぐ存在になる」という言説は、その黎明期から繰り返し用いられてきた。それは一面では事実であるが、またもう一面ではまだまだ絵に描いたモチ、というのが原状だ。
佐藤氏の場合はすでにかなりの知名度がある人気作家なので、スタートの地点にはかなり有利な面もあるだろうが、一番興味深いのは「新作30円、旧作10円」という価格設定。通常、青年マンガ雑誌は300円弱の価格で20数本程度の作品を掲載しているが、佐藤氏の価格設定はお目当ての作品単体であればかなり良い値ごろ感がある。
しかし同時に作家にとっては、例えば「ある作品を目当てに買った雑誌に載っている別の作品を偶然読み、その作品も好きになる」という、新規顧客獲得の機会をロスする危険もはらんでいる。
音楽では一足先に、目当ての曲単体をそこそこ手頃な価格でダウンロード購入できるシステムが確立してきているが、そこでも「B面(カップリング)」や「アルバム収録曲」に触れる事で、そのアーティストのよりディープなファンになっていく機会がロスされるケースも起きていると思われる。そういったファンの存在無しでは、職業アーティストとして長期に渡り安定した創作を続けていくのは難しそうだ。
いずれにせよ、気に入った作品に対して、10円単位のお金を「作者に直接」支払えるシステムが成り立てば、経済の成り立ち方自体が大きく変化すると思われる。不況、不況と騒がれる今は、その模索には絶好の機会だろう。
佐藤氏の今後の活動に注目したい。
しかし同時に作家にとっては、例えば「ある作品を目当てに買った雑誌に載っている別の作品を偶然読み、その作品も好きになる」という、新規顧客獲得の機会をロスする危険もはらんでいる。
音楽では一足先に、目当ての曲単体をそこそこ手頃な価格でダウンロード購入できるシステムが確立してきているが、そこでも「B面(カップリング)」や「アルバム収録曲」に触れる事で、そのアーティストのよりディープなファンになっていく機会がロスされるケースも起きていると思われる。そういったファンの存在無しでは、職業アーティストとして長期に渡り安定した創作を続けていくのは難しそうだ。
いずれにせよ、気に入った作品に対して、10円単位のお金を「作者に直接」支払えるシステムが成り立てば、経済の成り立ち方自体が大きく変化すると思われる。不況、不況と騒がれる今は、その模索には絶好の機会だろう。
佐藤氏の今後の活動に注目したい。
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