2024 .11.21
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2010 .03.25
前回の記事で書いたMIDI音声合成のテクニックについて、いくつかの反応を頂いた。特に、Twitter上でitsuki_imazakiさんがつぶやかれていた内容が興味深かったので、お許しを頂いた上でリストにまとめてみた。
http://togetter.com/li/10942
この中で「発声は不明瞭だけど、ボーカロイドよりも人間味がある」というのは結構核心的な部分で、おそらく元素材になっている歌声のキャラクターが残っているからだろう。それをちょっとスライドして考えると、MIDIデータといういかようにも編集できるデータなので、体系立てた生成のアルゴリズムができれば、精度はともかくニュアンスの表現としてはUTAUやVOCALOIDよりも自在な表現のできるバーチャルボーカルができるかもしれない。
ここら辺は私のレベルでは想像の域を脱せないので、せめてもじゃないけど、今回の実験に使ったツールだけでもご紹介しておこう。
前記事の実験には「オート符SA」というソフトを使用した。これは、読み込んだWAVファイルを数ステップの操作で(細かな設定も可能)解析してMIDIデータに変換できるという大変面白いツール。初心者向けDAWなどによく付いている「鼻歌入力」は基音の音程を抽出するのに比べ、オート符は倍音構成をまるごとMIDIデータ化してくれるので、エフェクター的な使い方など様々な応用が考えられえる。
正直私もデフォルト設定でWAV→MIDI変換する程度の使い方しかしていないので(それだけだと、説明を読まなくともできる位簡単!)是非皆さんも実際に触って、面白い使い方を編み出して頂きたい。
オート符に関して余談を一つ。以前、確かフジテレビで、SMAPの稲垣吾郎がナビゲーターで「音楽を科学で分析する」みたいな特番をやっていた。何夜連続かでやっていたが、「音楽を」という割に丸々歌詞についてしか言及しない回があったり少し「?」な番組だったのだが、そこでこのオート符が紹介されていた。
ところが、その内容が問題。番組では「音を楽譜に変換できるソフト」といった紹介をされていたが(まあ、それは間違いではない)、やっていたのが「波の音」を楽譜に変換するという処理。よりによって一番ノイズに近い類の素材だが、案の定結果データを譜面で表示したものは「卵から一斉にかえったオタマジャクシ」のように音符が密集したものだった(なんの意味も無い譜面)。
番組はここから暴走し始める。この譜面を元に、ミュージシャンに曲を作ってもらおうという流れになっていた。担当したのは、雅楽の東儀秀樹さんと、作曲家の大島ミチルさんだったと思う。「これ、どうするんだろ…」とこっちがハラハラしながら観てるうちに、曲の演奏が始まった。
一流の音楽家の手によるものなので、演奏された楽曲は当然素晴らしいクオリティだった。だがしかし、いつまでもあの「波」が出てこない。そう思いながら観ていると…
シンバルが「しょわわわわ~ん」とクレッシェンドするフレーズが。
こ、これはまさしく波!…ていうか、これオート符の解析いらねえじゃん!
いや、お二人には何の責任も無い。あんなものを渡されて、さぞかし頭を抱えられたと思う。その中で素晴らしい楽曲を作られたプロ意識には頭が下がる思いだ。
腹立たしいのは、「科学」などという言葉を使って番組を作っておきながら、理解力も、理解しようとする態度すら感じられない制作側の姿勢だ。オート符の解析結果(もっとも‘”波”は向かないけど)を使えば、いくらでも面白い実験ができたのに。
この番組より、前回記事でリンクしたニコ動の投稿の方がずっと意義深く、面白い。テレビ離れがあるとすれば、制作サイドのこうした意識にも非常に大きな原因があるのでは?
http://togetter.com/li/10942
この中で「発声は不明瞭だけど、ボーカロイドよりも人間味がある」というのは結構核心的な部分で、おそらく元素材になっている歌声のキャラクターが残っているからだろう。それをちょっとスライドして考えると、MIDIデータといういかようにも編集できるデータなので、体系立てた生成のアルゴリズムができれば、精度はともかくニュアンスの表現としてはUTAUやVOCALOIDよりも自在な表現のできるバーチャルボーカルができるかもしれない。
ここら辺は私のレベルでは想像の域を脱せないので、せめてもじゃないけど、今回の実験に使ったツールだけでもご紹介しておこう。
前記事の実験には「オート符SA」というソフトを使用した。これは、読み込んだWAVファイルを数ステップの操作で(細かな設定も可能)解析してMIDIデータに変換できるという大変面白いツール。初心者向けDAWなどによく付いている「鼻歌入力」は基音の音程を抽出するのに比べ、オート符は倍音構成をまるごとMIDIデータ化してくれるので、エフェクター的な使い方など様々な応用が考えられえる。
正直私もデフォルト設定でWAV→MIDI変換する程度の使い方しかしていないので(それだけだと、説明を読まなくともできる位簡単!)是非皆さんも実際に触って、面白い使い方を編み出して頂きたい。
オート符に関して余談を一つ。以前、確かフジテレビで、SMAPの稲垣吾郎がナビゲーターで「音楽を科学で分析する」みたいな特番をやっていた。何夜連続かでやっていたが、「音楽を」という割に丸々歌詞についてしか言及しない回があったり少し「?」な番組だったのだが、そこでこのオート符が紹介されていた。
ところが、その内容が問題。番組では「音を楽譜に変換できるソフト」といった紹介をされていたが(まあ、それは間違いではない)、やっていたのが「波の音」を楽譜に変換するという処理。よりによって一番ノイズに近い類の素材だが、案の定結果データを譜面で表示したものは「卵から一斉にかえったオタマジャクシ」のように音符が密集したものだった(なんの意味も無い譜面)。
番組はここから暴走し始める。この譜面を元に、ミュージシャンに曲を作ってもらおうという流れになっていた。担当したのは、雅楽の東儀秀樹さんと、作曲家の大島ミチルさんだったと思う。「これ、どうするんだろ…」とこっちがハラハラしながら観てるうちに、曲の演奏が始まった。
一流の音楽家の手によるものなので、演奏された楽曲は当然素晴らしいクオリティだった。だがしかし、いつまでもあの「波」が出てこない。そう思いながら観ていると…
シンバルが「しょわわわわ~ん」とクレッシェンドするフレーズが。
こ、これはまさしく波!…ていうか、これオート符の解析いらねえじゃん!
いや、お二人には何の責任も無い。あんなものを渡されて、さぞかし頭を抱えられたと思う。その中で素晴らしい楽曲を作られたプロ意識には頭が下がる思いだ。
腹立たしいのは、「科学」などという言葉を使って番組を作っておきながら、理解力も、理解しようとする態度すら感じられない制作側の姿勢だ。オート符の解析結果(もっとも‘”波”は向かないけど)を使えば、いくらでも面白い実験ができたのに。
この番組より、前回記事でリンクしたニコ動の投稿の方がずっと意義深く、面白い。テレビ離れがあるとすれば、制作サイドのこうした意識にも非常に大きな原因があるのでは?
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