2025 .01.28
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2010 .08.13
YAMAHA謹製のVOCALOID「VY1」が本日正式発表となった。予想外の和テイストなパッケージに少しびっくり。ああいう桜色は、楽器店、パソコンショップを通じてあまり無いカラーリングで非常に目立つと思うんだけど、どうやら公式ストアでの通販のみな模様。勿体無いなあ。
特定のキャラ絵の無いパッケージは、また別の意味でも店頭で意義を発揮する場合もある。私は、ムックに原稿を書いたりしながらもちゃんと自腹で初音ミクを購入したが(別に威張る事ではないが)、正直、30代半ばのおじさんがあのパッケージをレジに持って行くのは少々勇気が必要だった。逆に本当にHなビデオとかだったら開き直れるかもしれないけど(?)、なまじ「領収書ください」なんて言うと誤魔化しているような印象を持たれるのでは…と思春期並の自意識過剰になってしまう。
その点、VY1なら何の抵抗も無くレジに持って行けるし、YAMAHAの方でアナウンスしているように純粋に楽器として使いたい人も抵抗無いはず。既存キャラの呪縛を超えてキャラクターを作りたい人にも(既にUTAUという魅力的なツール&シーンはあるけど)ピッタリだろう。正直、VY1の声質には個人的にあんまり魅力を感じないのだが、こういうアプローチの製品が出た事は歓迎すべき流れだろう。
さて、「特定のキャラが設定されていないバーチャルボーカルにキャラをあてる」という試み、実は私もやった事がある。以前 DTMマガジンの連載でフリーのボーカルソフト「AquesTone」をご紹介した際、勝手に「灰汁江(あくえ)」というキャラクターを作って、サンプル曲と一緒に発表した。
灰汁江は、時折霊が憑依して違う声が出る「イタコ」キャラ(AquesToneの、パラメータ調整で声を作れるという特徴を活かした)。もちろんこれは、初音ミクの萌え属性と思いっきり逆を行ってみようという一種のパロディなのだが、雑誌で発表しただけに一部で「公式キャラか?」「本当にこの路線で行くのか…?」などと変に話題になってしまった(いや、これ公式なわけは無いでしょう!(^^;))。
VY1でも色々と出て来るんだろうな、と少し楽しみな一方、色々と考える所もある。AquesToneはソフト内で音声を合成する「シンセサイザー」であり、最近流行った言い方をすれば「非実在音声」と呼ぶ事ができる。対してVOCALOIDは、実在の人物の声をライブラリ化して音源にする技術。根本的に「属人性」が非常に高いのだ。
例えばアニメで、岩が◯◯というキャラの声で喋っていたら「◯◯が岩に変えられた!」と認識される。対して、姿形は◯◯でも声が違っていると「誰かが◯◯に化けている(または肉体を乗っ取っている)」と認識されるだろう。時に声というのは、姿形よりも属人性が高いのだ。
VY1の声は、AquesToneに比べて明らかに属人性(中の人の個性)を感じさせる。しかし同時にVY1は、キャラが設定されないのはもちろん、声の提供者の素性も明かされない「匿名」の存在だ。
果たして、純粋に匿名な声とは存在し得るのか?VY1はユーザー達によってどのような「人工的な属人性」を与えられるのか?これからの展開が非常に楽しみだ。
特定のキャラ絵の無いパッケージは、また別の意味でも店頭で意義を発揮する場合もある。私は、ムックに原稿を書いたりしながらもちゃんと自腹で初音ミクを購入したが(別に威張る事ではないが)、正直、30代半ばのおじさんがあのパッケージをレジに持って行くのは少々勇気が必要だった。逆に本当にHなビデオとかだったら開き直れるかもしれないけど(?)、なまじ「領収書ください」なんて言うと誤魔化しているような印象を持たれるのでは…と思春期並の自意識過剰になってしまう。
その点、VY1なら何の抵抗も無くレジに持って行けるし、YAMAHAの方でアナウンスしているように純粋に楽器として使いたい人も抵抗無いはず。既存キャラの呪縛を超えてキャラクターを作りたい人にも(既にUTAUという魅力的なツール&シーンはあるけど)ピッタリだろう。正直、VY1の声質には個人的にあんまり魅力を感じないのだが、こういうアプローチの製品が出た事は歓迎すべき流れだろう。
さて、「特定のキャラが設定されていないバーチャルボーカルにキャラをあてる」という試み、実は私もやった事がある。以前 DTMマガジンの連載でフリーのボーカルソフト「AquesTone」をご紹介した際、勝手に「灰汁江(あくえ)」というキャラクターを作って、サンプル曲と一緒に発表した。
灰汁江は、時折霊が憑依して違う声が出る「イタコ」キャラ(AquesToneの、パラメータ調整で声を作れるという特徴を活かした)。もちろんこれは、初音ミクの萌え属性と思いっきり逆を行ってみようという一種のパロディなのだが、雑誌で発表しただけに一部で「公式キャラか?」「本当にこの路線で行くのか…?」などと変に話題になってしまった(いや、これ公式なわけは無いでしょう!(^^;))。
VY1でも色々と出て来るんだろうな、と少し楽しみな一方、色々と考える所もある。AquesToneはソフト内で音声を合成する「シンセサイザー」であり、最近流行った言い方をすれば「非実在音声」と呼ぶ事ができる。対してVOCALOIDは、実在の人物の声をライブラリ化して音源にする技術。根本的に「属人性」が非常に高いのだ。
例えばアニメで、岩が◯◯というキャラの声で喋っていたら「◯◯が岩に変えられた!」と認識される。対して、姿形は◯◯でも声が違っていると「誰かが◯◯に化けている(または肉体を乗っ取っている)」と認識されるだろう。時に声というのは、姿形よりも属人性が高いのだ。
VY1の声は、AquesToneに比べて明らかに属人性(中の人の個性)を感じさせる。しかし同時にVY1は、キャラが設定されないのはもちろん、声の提供者の素性も明かされない「匿名」の存在だ。
果たして、純粋に匿名な声とは存在し得るのか?VY1はユーザー達によってどのような「人工的な属人性」を与えられるのか?これからの展開が非常に楽しみだ。
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